きました、いよわ通! もう抜け出せません!
今回はいよわさんの、「パジャミィ」を解説&考察してみます!
初心者考察ですが、是非ともよろしくお願いいたしま~す。
注意
僕個人の解釈、都合のいい捉え方です。
人によっては、それ違うだろ!と思うところもあるかもしれませんが、
考察の仕方は人それぞれですから。
何卒よろしくです!
この曲のテーマは...?
今回の曲「パジャミィ」は、物語仕立てな感じになっています。
一曲を通して、しっかりとした”絵本”のようになっているので、
歌詞を最初から順番に下っていきたいと思います。
それにしても、今回の曲の”テーマ”ですか...。
強いて言うなら "友情” ですかねぇ。
それも、普通の友情とは少し違うような気がします。
この曲は、どんな結末を迎えるのか。
今回のいよわさんは、何を伝えたいのか。
ぜひぜひ、楽しみにしててくださいね。
1番の歌詞
遠い 夢の部屋 はじめましてじゃないって
暗い 夜がこわくて 泣いていたのね
今回登場するのは、二人の女の子。
赤っぽい髪と服の子が、「アプリコット」ちゃん。
そして、金髪青服の女の子が「パジャミィ」ちゃんです。
今回の楽曲は、この二人の物語を歌ったものになっています。
アプリコットちゃんとパジャミィちゃんの、”友情”の物語ですね。
「遠い夢の部屋」とは、その名の通り”夢の中の部屋”のこと。
深い眠りのことを「遠い」と言っているのだと思います。
そしてどうやら、二人は「はじめまして」じゃないよう。
何度も何度も夢の中で会っているんですね。
「暗い夜が怖くて泣いていた」のは、アプリコットちゃんでしょう。
だから夢の中のパジャミィに会いに来た。
アプリコットちゃんにとってパジャミィは、
自分の怖さを和らげてくれる特別な存在なんだと思います。
...「アプリコットちゃん」って長いですね。
略して「リコちゃん」とでも呼びましょうか。
ふたり クラスメイトとは 少し違う友達が
ささやき声で連れていくわ 秘密基地に
なんとなく気づいた人もいるかもしれませんが、
「パジャミィ」というのは、リコちゃんの”イマジナリーフレンド”のようなものです。
夢の中で会える、幻想だけど最高の友達。
それが「パジャミィ」なんです。
学生の方なら「クラスメイト」がいると思いますが、
「クラスメイト」ってなんか、どこか”他人”な感じがしますよね。
”友達”ではあるんですけど、何でもできる仲と言ったら違うような...。
でもリコちゃんにとって「パジャミィ」は、
そんな「クラスメイト」とは少し違う存在なのでしょう。
そしてパジャミィは、リコちゃんをささやき声で「秘密基地」に連れていきます。
きみの傷をいやすように 痛みから気をそらすように
とっ散らかしたおもちゃと長い袖が ちょっとくすぐったくて
リコちゃんが現実世界で負った「心の傷」を癒すように。
精神的な「痛み」から気をそらすように。
パジャミィはそういう、リコちゃんにとっての「負」を、
リコちゃんからできるだけ遠ざけようとしてくれてるのだと思います。
たくさんのおもちゃをとっ散らかして。
長い袖がくすぐったくて。
くすぐったかったら笑っちゃいますよね。
パジャミィは、リコちゃんのことをたくさん笑わせてあげてるのでしょう。
頬をつねって「また会おうぜ」
裸足で蹴り飛ばして 宙に向けて放った
”夢の中で頬をつねると、ここが夢だと分かる”
みたいなの聞いたことありますよね。
夢を見ていられるのは、眠っている間だけ。
朝がくれば、眠りの時間は終わりです。
けれどパジャミィは、リコちゃんの頬をつねって
「また会おうぜ」
と、めちゃくそかっこいいセリフを言います。
惚れちゃう。
「裸足で蹴り飛ばして 宙に向けて放った」というのは、
夢が覚める瞬間を表しているのだと思います。
夢が覚めるときの、あの何とも言えない、体がフワッとするような感覚。
それを言い表したいのでしょう。
大事なだれかの心の時間かせぎ
お願い目覚めを忘れたままで、パジャミィ
「大事な誰か」は、パジャミィにとってのリコちゃんでしょう。
パジャミィは「時間かせぎ」をしているのです。
じゃあ、なにのための時間稼ぎなのか。
それは、”大人になるまでの”時間稼ぎです。
リコちゃんは、大人になることを嫌っています。
理由は後述しますが、大きくなるというのがホントに嫌なようです。
ですがさっきも言ったように、パジャミィはイマジナリーフレンドで、
リコちゃんの頭の中にしか存在しないわけです。
なので実質的にリコちゃんは、
自分で自分の心の時間稼ぎをしているということになります。
こう見ると”大人になりたくない”と駄々をこねる子供みたいにも見えますが、
リコちゃんにとって、これは至って深刻な問題なんです。
それを解決するためにパジャミィを生み出した、ともいえるかもしれません。
そして、「目覚めを忘れたままで」と
リコちゃんはパジャミィに願います。
2番の歌詞
遠い 夢の部屋 はじめましてじゃないって
苦い 朝がこわくて 泣いていたのね
再びパジャミィの元へやってきたリコちゃん。
でも今回は、「暗い夜が怖い」のではなく「苦い朝が怖い」と言っています。
「夜が怖い」というのは、子供にとってはありがちでよすよね。
リコちゃんもじゅうぶん子供ですが、今回のリコちゃんは
”少し年を重ねた状態”でパジャミィに会いに来ているのです。
1番の歌詞とはちょっとだけ時間があいていますね。
先程も言いましたが、リコちゃんは大人になることを嫌っています。
けれど朝を迎えるたびに、だんだんと大人に近づいてゆく。
そのことに、焦りや恐怖を感じたのかもしれません。
「皆 嘘をついてる」と涙ぐむ 瞳が
ささやき声で 打ち明けた秘密を うつした
「皆 嘘をついている」というのはですね...。
恐らくですが、自分以外の子(クラスメイトなど)が、
”時間から目を背けて楽しく遊んでいる”ことを表すのだと思います。
でも子供なんだから、そんな難しいことを考えずに、
時間を忘れて思いっきり遊んでしまうのが正解でしょう。
でもリコちゃんの目には、そうやって遊んでいる子供たちが、
”嫌なことから目を背けている”=”嘘をついてる”
と、映ったのかもしれません。
そうすると今度は、パジャミィが「秘密」を打ち明けます。
パジャミィの秘密とは、リコちゃんと同じで、
”自分も大人になりたくない”というものだったのでしょう。
パジャミィはイマジナリーフレンドなので、
リコちゃんにとって都合のいいことを言ったのかもしれません。ですが、
イマジナリーフレンドとは、大抵その人が大人になれば消えてしまいます。
パジャミィも、リコちゃんが大人になることで
”自分も消えてしまうのではないか”と恐れた。
”大人になりたくない”というのは、パジャミィの本心なのかもしれません。
大人になっていくきみに 忘れ物を届けるように
さあ遊ぼうぜ今 ぼくらは心をちょっとすりむいただけ
ですがパジャミィは、自分はいつか消えることを分かっています。
分かっていて、リコちゃんに「忘れ物」を届けてあげるのです。
「忘れ物」とは、”遊ぶ”こと。
”遊ぶことは嘘をついてること”とまで否定したリコちゃんに、届けるのです。
パシャミィはリコちゃんに、”普通の女の子”になってほしいから。
普通の女の子として、幸せに大人になってほしいから。
”パジャミィがいる”ということは、普通はおかしなこと。
そのうえでパジャミィは、そのことを「すりむいただけ」と言っています。
そして「さぁ遊ぼうぜ」って遊ぶのです。
パジャミィがいつかいなくなるということは、
リコちゃんの健やかな成長につながるということだから。
切ない...。
朝焼けが背中を刺して 閉じたドアの向こうで
怖い声が言った
「朝焼けが背中を刺す」
つまり朝が近づいてきます。目が覚める。
その時、ドアの向こうから「怖い声」が聞こえます。
リコちゃんは夢の中にいるので、「ドア」の向こうは現実世界です。
その現実世界から「声」が言うのです。
「本当の気持ちは誰にも言えないのに」
「最後は地獄へ落ちるだけなのに」
「本当の気持ちは誰にも言えないのに」
”本当の気持ち”とは何か。
リコちゃん、本当は大人になりたくないのではありません。
パジャミィとお別れしたくないのです。
でも、そんなこと誰にも言えません。
「最後は地獄へ落ちるだけなのに」
リコちゃんがパジャミィとの別れに気持ちを決着させられなければ、
きっとリコちゃんは幸せに大人になれないでしょう。
そのことを「地獄に落ちる」と表現しているのだと思います。
余談ですが、ここでの「怖い声」の主は、恐らく...
”リコちゃん自身”だと思います。
大人になることへの焦燥や焦りが、直接的に自分に現れたのでしょう。
ラスサビ前
映画も 陽だまりも 卒業式も
あふれる音楽が流れ終わったなら
寂しいけれど お片付けをしなくちゃ
映画も、陽だまりも、卒業式も。
必ず何かがきっかけで終わりが訪れます。
エンドロールが流れたら、映画は終わりです。
暖かい日が過ぎれば、陽だまりは終わりです。
卒業生が退場したなら、卒業式は終わりです。
それと同じで、遊びの時間が終わったならば、
「お片付け」をしなくてはならないのです。
ねぇ こうして もらいすぎたものを返せたら
そのために生まれてきた と思える
「もらいすぎたものを返す」
これは、リコちゃんにもパジャミィにも言えることです。
リコちゃんは、いつでも自分を助けてくれたパジャミィに。
パジャミィは、自分を夢の中に生んでくれたリコちゃんに。
「そのために生まれてきた」と思ってしまうほど、
二人はお互いのことが、だいだいだいすきだったのでしょう。
それならば誰があなたを起こすの、パジャミィ
リコちゃんが成長して、大人になったら。
消えてしまったパジャミィは、誰が起こしてくれるのか。
でも、パジャミィは分かっています。
いつか自分が、長い長い眠りにつくことを。
そして”その時”は、もうすぐ訪れるということを。
ラスサビ
晴れたお別れの日に こんな曲を流すように
とっ散らかしたおもちゃと長い袖が やっぱくすぐったくて
ついに訪れた「お別れの日」です。
「こんな曲」というのは、まさにこの曲。
「パジャミィ」が流れているのではないかと思います。
そして、やっぱりおもちゃは散らかってて。
長い袖はくすぐったくて。
パジャミィは最後の最後まで、リコちゃんのことを笑わせてくれました。
涙ぬぐって笑おうぜ
裸足で蹴り飛ばして 宙に向けて放った
MVではここでパジャミィが消えてしまいます。
けれれどもリコちゃんは、穏やかに笑うことができています。
今回の「裸足で蹴り飛ばす」は、
”リコちゃんの子供の心が、大人の心に変わる”ことを表しているのでしょう。
夢から覚める時の、あの不思議な、宙に浮くような感覚。
そんな感覚のまま、「子供の心」という名の「夢」から抜け出した。
リコちゃんが完全に大人になったのかは分かりませんが、
恐らくもう、パジャミィの助けは大丈夫そうですね。
大事なわたしのこころの時間かせぎ
ここの「時間かせぎ」。
パジャミィがいなくなったのに、なんの時間稼ぎをしてるのか。
それは...。
お願いあなたを忘れぬままで、パジャミィ
「お願いあなたを忘れぬままで、パジャミィ」
時間稼ぎとは、”パジャミィを忘れないようにするためのもの”なのです。
かつて自分の一番の友達だったパジャミィ。
そんな大親友を忘れないよう、今日もリコちゃんは時間稼ぎをするのです。
「パジャミィ」という曲
この曲、「パジャミィ」は、
リコちゃんが一生パジャミィを忘れないようにするために
リコちゃん自身の、「時間かせぎ」で作り出した曲なのだと思います。
大切な大切な友達の、
大切な大切な思い出をうたった曲。
リコちゃんとパジャミィの物語を描いた曲でもありますが、
リコちゃんの大事な記憶を彩る曲でもあるんですね。
関連楽曲
この「パジャミィ」という曲は、
「アプリコット」という曲の続きになっています。
アプリコット→パジャミィの順で考察したほうが、
ストーリー性があって面白いかな?とも思ったんですけどねぇ。
アプリコットで言ってることって、大体パジャミィでまとめられちゃってて...。
まぁ気が向いたら、アプリコットの考察もあげてみたいと思います。
まとめ
いよわさん楽曲、「パジャミィ」を解説&考察してみました。
いや...もう...感動...。
やばいです。やばやばです。
今までは、『いよわ the BADEND』っていう曲しか
紹介していなかったので、ハッピーエンドは珍しいかも?
でも一応、あるっちゃあるんですよ。ハッピーエンド。
皆さんにも是非ぜひ探してほしいですねぇ!
余談ですが、パジャミィとリコちゃんのファンアート、
めちゃめちゃいっぱいあるんですよね。
大体がほんわかする絵なので、見つけたらほんわかできるかも?
パジャミィはいよわさんがくれた癒しなんじゃ~。